八戸缶詰グループでは、缶詰の他、多様な製品を製造していますが、中でも「ズワイガニむき身」は、長年築地・豊洲市場を中心としたお客様にお届けする製品です。
「ズワイガニむき身」は、素材の味わいを活かした「チルド製品(摂氏0度~5度の温度帯)」として、お客様にお届けしているこだわりの逸品で、試行錯誤を重ねて40年以上前に完成させたものです。
現在は、チルド状態のまま全国の中央卸売市場へ出荷されており、寿司店・割烹などのプロの料理人の方にご愛顧頂いております。
実は、このズワイガニも当初は缶詰の製造から始まり、食品加工へのこだわりを経て冷凍~チルド製品まで展開していった「歴史」がありました。
私たちがカニを取扱ったのは、今から凡そ半世紀前・まだ「蟹工船」が創業していた1970年代。
初めは、蟹工船から熟練の技術者を迎え入れて、陸上でタラバガニの缶詰製造から手がけはじめました。
その後、1981年にはカニむき身の製造・販売を手掛ける(株)味の加久の屋が設立。
初めは、市場で長期保存が可能なものでないと受け入れられない...という理由から冷凍製品が主体でした。
しかし、カニの冷凍品は解凍時に旨味が流出するため、カニ本来の味が実現出来ていない製品。ここから、おいしいカニづくりの挑戦が始まりました。
カニ本来の旨味を残すには、冷凍なしの「チルド状態」が最もおいしいのですが、カニは温度管理が難しく、安定した味わいを数日維持するのはとても大変…。
そこで私たちは、缶詰で培った温度管理の経験を活かし、チルド品独自の管理基準を考案。徹底した温度管理により、チルドで約1週間の鮮度保持を実現しました。
さらに、カニ自体が持つ[水分/塩分]による旨味・食感、そして味のバランスの不均一さを改善するため、缶詰で培った味付加工をチルド製品に応用し、安定した味わいを実現させることに成功しました。
こうして1984年より「ズワイガニむき身」のチルド品として初の全国流通を開始。これも缶詰づくりのノウハウがあった当グループだからこそ実現出来たものと言えます。
私達は販売時より「真の品質」にこだわり、常により良い製品をお届けするため、[原料品質]・[製造品質]・[製品品質]という3つの品質を守り続けております。
3つの品質を守り続けることで、素材本来の旨味を追求した「真の品質」となり、プロの料理人にも愛されるトップブランドのズワイガニとなるよう努めております。
安定品質を重視して、主にアメリカ・アラスカ産を買付けています。アラスカ産のカニは、他産地に比べて水揚げ/ボイル/凍結までの衛生管理に優れています。買付担当は毎年現地に足を運び、個体毎に異なるカニの品質・特性を見極める為 [独自の検査基準※] で、検査/買付を行なっています。
※「独自の検査基準」
1.鮮度が良い「生きた」カニであること
2.茹で具合が適正であること(旨味を閉じ込める)
3.身の入り具合が良いこと
4.カニの身の色合い(カラーチャート)
カニは、温度変化による品質への影響が非常に大きい食品の為、全工程で徹底した温度管理を行っています。
工場内は、原料搬入から出荷までライン化され、時間単位で専属の衛生/品質管理者が厳しい管理を行なっております。
製造責任者は“プロの目利き”として、毎日必ず目と舌で官能検査を実施。わずかな味や肉質の変化まで見逃しません。
さらに、食品衛生法よりも厳しい衛生管理基準で、味以外の部分も守り続けております。
製品の作り置きはおこなわず、独自技術によるズワイガニ本来の旨みを活かした仕上がりをおこなっています。
この独自技術は、厳選した品質の良いズワイガニの旨味を損なわないよう加工するもので、「濃厚な旨み」「弾力ある肉質」「ジューシーさ」を兼ね備えたズワイガニを可能にしています。
日々「ご注文いただいたい分だけを製造し、お届けする」ことで、製品品質を守っております。